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2020年大会

漫才とは何か — マヂカルラブリーが問いかけた根源的な問い

コロナ禍の大会と「漫才の定義」論争

優勝: マヂカルラブリー

審査員数

7名

決勝出場

10組

最高得点

660点 (マヂカルラブリー)

平均 / レンジ

644点 / 39点差

データから見る2020年大会

マヂカルラブリーは1stラウンド649点で3位通過。1位のおいでやすこが(656点)との差は7点。最終決戦では4票を獲得して優勝。1stラウンド3位からの逆転優勝は、サンドウィッチマン以来のドラマ。

採点傾向分析

この年の採点で最も議論を呼んだのは、マヂカルラブリーへの評価の「分裂」。上沼恵美子は高得点を付けた一方、立川志らくは比較的低めの採点。この「審査員間の評価差」は、マヂカルラブリーの漫才が「好き嫌いが分かれる」タイプであったことを数字で示している。一方、おいでやすこがへの採点は比較的安定しており、「万人受け」する漫才だったことが窺える。

大会レビュー

2020年大会は、コロナ禍という異例の状況下で開催され、マヂカルラブリーの優勝が「漫才とは何か」という根源的な議論を巻き起こした歴史的な大会である。

野田クリスタルの身体を張ったボケは、従来の「しゃべくり漫才」の概念を大きく逸脱するものだった。「つり革」ネタでは、野田が全身を使ったアクションで笑いを取り、村上が的確にツッコむという構成。この「動きの漫才」に対して、SNSを中心に「あれは漫才なのか」という議論が白熱した。

結果的に、この論争はM-1が「漫才とは何か」を問い直すきっかけとなり、漫才の定義の多様性を社会に認識させた。おいでやすこがのピン芸人同士のユニットという新しい形態も、漫才の可能性を広げるものだった。

審査員の視点

上沼恵美子はマヂカルラブリーに対して「新しい笑い」として高く評価した一方、立川志らくは「話芸としての漫才」の観点から厳しめの評価。この対照的な採点は、M-1の審査が「多様な価値観の衝突」であることを如実に示した。

審査員一覧:

上沼恵美子松本人志サンドウィッチマン富澤立川志らくナイツ塙中川家礼二オール巨人

この大会の注目ポイント

マヂカルラブリーの野田クリスタルは、優勝後に「漫才の定義は時代とともに変わる。僕たちがやっていることも漫才だと認めてもらえたことが嬉しい」と語った。この発言は、M-1が漫才の「進化」を促す装置でもあることを示している。

1stラウンド採点一覧

順位コンビ合計平均
1位👑 マヂカルラブリー66094.3
2位おいでやすこが65894.0
3位オズワルド65593.6
4位インディアンス64992.7
5位見取り図64892.6
6位アキナ64391.9
7位ニューヨーク63791.0
8位錦鯉63690.9
9位ウエストランド63190.1
10位東京ホテイソン62188.7

最終決戦 投票結果

マヂカルラブリー
4票
優勝
おいでやすこが
2票
2位
見取り図
1票
3位

大会トリビア

  • コロナ禍での無観客に近い状態での開催
  • 「漫才か否か」論争が社会的話題に
  • おいでやすこがはピン芸人同士のユニット
  • エントリー数5,081組